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GM入門:オリジナルシナリオを作成してみよう(クトゥルフ編)①『初めに決めるべきこと』

TRPG入門 クトゥルフ神話TRPG

今回は,クトゥルフ神話TRPGで,初めてGMをする,または何度かGMはしたけど自分オリジナルのシナリオを作ってみたい,という人向けにCOCのシナリオの作り方の手引きのようなものを書いていきたいと思います.

 

まず初めに断っておくと,今から紹介するシナリオの作り方は絶対ではありません

シナリオの作り方は,それこそ人それぞれで,自分に合った方法というものがあります.

 

今回は,初心者の方でも比較的作りやすいであろう方法を紹介するつもりですが,自分に合った作り方を見つけたらそちらに切り替えていくのもいいと思います.

 

 

『初めに決めるべきこと』

 

シナリオを作る上でまず初めに決めるべきなのは2つ

・クローズドかオープンか

・出現する神話生物

この2点です.

特に,クローズドかオープンかはシナリオを作る際,最優先で決めるべき事柄です.では,「クローズド」と「オープン」とは一体何なのでしょうか?

 

・「クローズド」/「オープン」

 

「クローズド」とは,簡単に言うと「探索者が自由に行動できないシナリオ」という意味です.もう少し具体的に言うと,目が覚めたら知らない部屋だった館に来たら閉じ込められ出られなくなった,などの探索者が一定の空間に閉じ込められてしまう系のシナリオということです.クローズドシナリオの場合,探索者の行動範囲はシナリオで決められた部屋のみです.閉じ込められてしまった探索者は(基本的には)自分たちの動ける範囲を探索しながらなんとかして脱出することを目指すことになります.

 

「オープン」とは,簡単に言うと「探索者がある程度自由に行動できるシナリオ」という意味です.具体的には,夜の学校に怪物が出るという噂が流行っているので調査をする新興宗教の教団が謎の儀式を行っているから調査をする,といった感じに探索者は学校や街といったある程度普通に人がいるような場所でシナリオを進めていくことになります.

 

それぞれのシナリオ形態のメリットとデメリットは以下のような感じです.

「クローズド」

メリット:

・探索者の行動がある程度予測しやすい.

・高い密度の神話体験が出来る.

・探索者がやることを見失いにくい.

デメリット:

・話のスケールが小さくなりがち

・交渉や説得等,一部の対人技能が腐りやすい

 

「オープン」

メリット:

・大がかりなシナリオを作成できる.

・探索やシナリオ作成の自由度が高い

・日常に潜む恐怖,という部分を表現しやすい.

デメリット:

・探索者の行動が予測しにくい

・誘導が不十分だと探索が行き詰りやすい

NPC管理が大変

 

大まかに言えば,「クローズド」は小さく纏まったシナリオに向いており比較的回しやすい,「オープン」は大がかりなシナリオに向いており少し回す難易度が高い,といった感じです.

始めてシナリオを作るならば,とりあえず「クローズド」を作ってみるのがよいでしょう.

 

・神話生物について

クトゥルフ神話TRPGに欠かせないのが神話生物の存在です.

 

神話生物は,探索者にとっての直接的な障害であり脅威です.

 

神話生物と一括りに行っても,様々なクリーチャーがいます.行動原理なども違うため,どんな神話生物を出すかがそのままそのシナリオのメインテーマとなることが多いです.

 

神話生物をシナリオ上での役割で分けると「奉仕種族級」,「中型クリーチャー級」,「神格級」の3種類います.

 

「奉仕種族級」

例:食人鬼(グール),ビヤーキー

平均SANチェック:0/1d6

奉仕種族級は,神話生物の中では最も危険度の低いクリーチャーです.といっても並みの探索者が1対1で勝つのは厳しい程度には脅威です.戦闘が得意な探索者なら1対1でもなんとか,そうでないなら複数人で戦えば倒せる……くらいの強さです.彼らをシナリオのメインテーマとするには少々力不足,シナリオの脇役として出すのがよいでしょう.

シナリオ上,絶対に避けられない戦闘を入れる際は彼らを相手にするのがよいでしょう.逆に言えば,奉仕種族級以外と探索者をガチンコバトルさせるのは止めたほうが無難です.

 

「中型クリーチャー級」

例:ティンダロスの番犬,ショゴス

平均SANチェック:1/1d10、1d3/1d20

中型クリーチャー級は,シナリオの主軸足りえる神話生物たちです.

特殊な能力を持っていたりするものも多く,探索者がまともに戦って勝つのは不可能に近いでしょう.シナリオ中で用意された解決法を使って万全の準備をしたうえでようやく……といった相手です.

シナリオ中での役割は,主に「シナリオボス」といったものでしょうか.彼らをシナリオのメインに据えて,そのクリーチャーの撃破や撃退をシナリオ目的とするのがクローズドシナリオの鉄板構成です.

 

「神格級」

例:クトゥルフニャルラトホテプ,クトゥグア

平均SANチェック:1d10/1d100

神格級はクトゥルフ神話TRPGの顔であり,有名どころも多いです.しかし,シナリオを作る上ではとても扱い辛い存在でもあります.なぜかというと,単純に強すぎるからです.神格級は指先で惑星を消し去れるような化け物ばかり,ただの人間にすぎない探索者が立ち向かうには余りに強大すぎる相手です.基本的に対立=死を意味します.当然探索者がいくら武道の達人でも勝負になりません.それどころか見ただけでほぼ発狂すると考えれば,まともにシナリオに出すのは難しいということがわかると思います.

 

では,彼らのシナリオ上での役割は何か?

 

神格級のシナリオ上での役割は,主に「敵側の最終目標」です.例えば,邪神を崇めている教団がクトゥルフを召喚するための儀式を行おうとしているから阻止しなければならない……といったように,探索者と対立する敵が召喚しようとしている存在、くらいの扱いです.召喚されてしまえば基本ゲームオーバー,そういう存在です. 

 

なお,人間に積極的に絡んでくるニャルラトホテプやチャウグナーフォンなどの例外も多数いたりします.

 

 

このように,クリーチャーにはそれぞれシナリオ上での役割があります.

クローズドシナリオを作る上では,基本中型クリーチャーから1体を選び,そのクリーチャーをシナリオの主軸として据えるのがよいでしょう

あまり何種類もクリーチャーを出してしまうと,シナリオの軸がぶれてよく分からないカオスなシナリオになってしまいがちなので注意が必要です.

 

 

今回は,シナリオを作る手順を分かりやすくするために,説明しながら1つオリジナルのシナリオを作っていきたいと思います.

 

 まずシナリオの形式は初心者でも作りやすく回しやすい「クローズド」,メインとなる神話生物は中型クリーチャーの「ティンダロスの猟犬」としました.

次回からは,今回決めたシナリオの軸を元にシナリオの枠組みを作っていきます.

 

GM入門:オリジナルシナリオを作成してみよう(クトゥルフ編)②『シナリオの骨組みを決める』 - AmidaのTRPG研究所